唇と唇が触れそうになった瞬間、


「っ!」


茅が我に返ったように目を見開いた。


俺から逃げようと必死に体を反らしている。


俺はそれを追って、茅はさらに体を反らした。



「やめろよ。これ、俺スゲーかっこわりーじゃん。」


「ダメッ!キスは……無理……」



無理って……



俺は苦笑いを浮かべ、茅から離れた。



「もういいよ。今度で。」


「今度もダメッ!」



大丈夫。




こいつは俺が嫌いじゃない。




それなら好きになるしかないだろ?