『瑛はどう思う?』


「何とも言えませんね。ただ、怪しいとしか」


『そうか……。まりあはどう思う?』


「えっ?」


自分に話がふられるのが予想外で、答えるまでに少し考えてしまった。


「……そんなに悪い人じゃ、ないと思います……」


「そんな事は聞いてない」


瑛さんが口を挟む。


『まあまあ瑛。

まりあ、何故そう思うんだい?』


「なんとなくですけど……

彼はあたしを殺そうとか、傷つけようとはしてないと……

思います」


はぁ、と瑛さんがため息をついた。


「まだわからないのか。

誰もお前をすぐ殺そうとは思ってない。

連れ去って、利用しようとしてるんだ」


『瑛、いいから』


留衣さんが優しくその場をとりなした。


『とにかく、オーランド・ロットンに関しては僕も調べてみる。

調査結果が出るまでは、油断しない事。

皆、良いかな?』


全員、静かにうなずくしかなかった。