「もう、大丈夫なのか?」





「はい…慣れてるんで」





「大変だな…」




そう男の人は言ってくれた。




「本当にすみません…」



「いや、そうだ、お前桜木高校?」



えっ…
何で知ってるんだろう…




「はい…そうですけど…」





「だよな、さっき教室で見た気がする、こう見えて俺顔覚えるのはえーんだ。」





「は、はぁ…」





「1-A 12番 櫻井 浩哉(サクライ ヒロヤ)。宜しく!」




そう言って貴方は笑った。



両頬に出来る笑窪(えくぼ)が、どことなく懐かしく感じられた。




"ピーーーー。"



どこかで、

ホイッスルが鳴ったような気がした。






それが貴方との出会いでした。