ワタシハ リョウチャンガ スキ。

小さい時から凌太は憧れのお兄さんで、それはいつからか恋に変わっていた。

「おい、待てって」
「やだっ、離してよっ」

後ろから右腕を掴まれ、優梨子は必至に腕を振るがビクリともしない。

「誰が離してやるかよ」

凌太の言葉は、いちいち熱くなる。

掴まれた右腕も、心臓も。

ピタリと動かなくなった優梨子に、凌太が話し出した。

「他のヤツに聞くって、それはオトコか?」
「…そんなの、凌ちゃんに関係ないでしょ」

だって、わたしたちは恋人じゃない。

好きなのは、わたしのほうだけ。

凌ちゃんは、わたしのことなんて1ミリも思ってない。

そう思う自分に悲しくなった。