「そう言わずに、頑張ろ?私も手伝うから」



やる気のない緒方くんに、とりあえずそんな言葉をかけてみた。




後ろの席の緒方くんの机で向かい合わせになってるから、緒方くんの顔がよく見える。




「無理。数字見ただけで死にそうになる」



そう言いながら、緒方くんは目の前の数学の教科書を睨んでいた。




じゃあ数字見ちゃってるあなたは、もうすでに死んでるはずでは?


なんて言うわけもなく、どうにか緒方くんが勉強してくれないかと必死です。




「あー!あちぃ!!もう無理!ハム子、帰るぞ!!」



ガタッと席から立ち上がった緒方くん。


だめだめ!阻止しなきゃ!



「だめだよ!暑いなら私がしたじきで仰ぐから!
緒方くんは、勉強して?」




「ハム子。勉強っつーもんは、したい奴がしたらいいんだ!田中みたいな奴とかな!」



ごもっともな意見だが、それでは学校に来てる意味がない。