あーったく、どうして俺がこんなにイライラしなくちゃいけないんだ。
というか、謝ればいい話。
朝にでも白井を呼び止めて、ごめん、と謝ればよかったはず。
ずずず、ずぞっ。
ずっと吸い続けていたウーロン茶が、嫌な音を立てて切らす。
空になったウーロン茶の紙パックの角を自分の額に、つん、とぶつけて。
「……はぁぁ、意味分かんね……」
隣にいる高梨に聞こえないほどの、小さなため息をついた。
今まで、こんなに女の顔をちらちらうかがうことなんて、なかったのに。
「んあ?皐月どーした、眉間に超皺よってっけど」
「……うるさい死ね」
「ひ、ひどっ俺なんか悪いこと言った!?」