「あー。だりぃ」
「いやー、緒方はいっつも授業サボってるよね!
今日1日くらい休んでも、なーんにも問題ないと思うけどな」
…………。
「何が言いたい?」
「キミ子ちゃんのとこ、いってら♪」
こいつの言い方、なんか俺の気に障る。
「……言われなくても、行くし!!」
───ガタッ。
俺は自分の席を立ち上がった。
斜め前の田中の肩が、ビクッとなったのは気のせいではない。
次は数学の授業。
サボり上等だろ。
「んじゃ、センコーには適当にいっとけよ」
俺はテツタを睨みながら言った。
「りょーかーい! キミ子ちゃんによろしくね!!」
楽しそうに手を振るテツタを無視し、俺は教室を後にした。