「そう言えば、週末に清香が来るってさ」

「どこに?」

「どこって、ここに決まってるだろ」


そんな他愛もない会話を、龍之介の腕の中でしていた。


晩ご飯に焼き肉をお腹いっぱい食べて龍之介マンションに帰ると、“お仕置き”と称して一緒に風呂に入り。


その後は、ご想像通り……。


そしてその余韻に浸りながら、龍之介と会話を楽しんでいた。


「菜都にお礼がしたいんだと」

「お礼?」

「あぁ。よくわからんけど、昼前には来るってさ」


私もよくわからないけれど、清香さんと話もしたかったし正直嬉しい。


「お昼前に来るってことは、お昼用意しないといけないよね?」

「菜都、作ってよ」

「えぇ、私が!? 無理無理、龍之介の方が上手だよ」


一人暮らしをしているから料理ができないこともないけれど、龍之介の方が手際が良くて絶対に上手い。


きっと龍之介もそれをわかっていて、こんな意地悪を言うんだ。


「俺も菜都の手料理を食べたいし、作ってよ」


そう耳元で艶めかしく囁き私の身体を弄れば、なんでも許されると思ってるわけ?


「デリバリー頼もうよ?」

「却下」

「そんなぁ」

「何? お仕置き追加する?」

「作ります……」


なんだかんだ言ったって、最終的にはこうなってしまう。龍之介には全敗で……。


恨めしい顔をして龍之介を見れば、「ざ~んねん。俺はお仕置きでも良かったのに」なんて、私の身体がいくつあっても足りないような言葉を言ってのけるし。


でもそんな文句を心の中で言ったって、身体は彼に従ってしまって。


また今夜も寝不足になりそうな予感……。