「でも、大口だしね。
毎回、毎回ってのは、正直キツイとこではあるんだけど。」
確かにね、―――。
週2で寝るって、彼氏でも密度、濃いよね。
しかも、昼間。
ほーんと、背徳な時間だわ。
「顔を見ただけで、ゾッとする。」
苦虫を噛みつぶしたような顔で吐き捨てるから、ちょっと、からかいたくなっちゃって。
「あら、そこまで言われちゃう??
でもね、今日はさすがに辟易、したかも。
ちょっと、しつこかったんだよね。」
「麻友理さん、それ、セクハラだから。
…まじで、最悪。」
ダイキ君はうんざりした表情を見せて、店の奥に入ってしまった。
ふぅ―――。
ちょっと、頭、でっかちなんだよなぁ…。
彼には、私の媚びた笑顔が全く通用しない。
何度か試してみたけれど、嫌悪感たっぷりに睨まれて、おしまい。
ったく――。
自分の身体を使って、仕事を取ってきて、何が悪いの。
プライドを持って、抱かれてるの。
正直、―――――。
私のことを受け入れられない男なんて、いないと思ってたんだよね。
だから、ダイキ君の態度に、衝撃。
びっくりしちゃった。
でもね、違ったの。
彼には、翔平君という可愛い男の子の彼女がいる。
なあんだ。
男の子が好きなのか。
翔平君の話を聞いて、納得。
何だか拍子抜けしちゃったって、感じ。
ま、私の右腕となって働いてくれているから、十分、満足。
「頭、固いんだから…。」
一応、私、上司なんだからね。
その態度、どうかと思うわよ。
大きく溜め息を、ひとつ。
店の奥に向かって、吐き出した。