「友達が出来たの。昨日お姉ちゃんが出て行った後に真麻も散歩しに行ったんだけど、その時に出逢ったんだ。」

「櫻って子と?」

「うん。櫻にもお姉ちゃんと同い年のお姉ちゃんが居るらしいよ。名前なんだっけ?」

「…八重の事?」

「そうそう!八重って名前だよ!お姉ちゃん知ってるの?昨日会ったとか?」

「…うん、まあ」




言葉を濁しながら頷く。此処の町には高校生が3人しか居ないみたいだから、女となると必然的に八重となってしまう。


八重にも妹居るんだ…


しかもそれは何とも皮肉に真麻と友達となってしまった櫻という子。

こりゃあ下手な事は出来ないな、と私は苦虫を噛み潰したような顔をした。