あ‥、夢か‥‥。


顔を触ると雫がついていた。


「え?もしかして涙か‥?」


オレなに泣いてたんだろう。


悲しい夢だったような、幸せな夢だったような‥。


今思いだそうとしても半分しか思い出せない。


これと同じ夢を何回か見たことがある。


でも今日は少し長かった。


あれは何なんだ?


そして‥、誰なんだ‥??


あんなにオレが取り乱すなんて。


昔会ったような気がするが、顔も見えなかったし、全く思い出せない。


ふと窓がある場所を見ると、カーテンの隙間から明るい光がさしこんでいる事に気がついた。


「明るいな‥。」


嫌な予感がする。


急いで時計を見ると、いつも起きている時間より二十分遅かった。


このままだと完璧に遅刻だ!


急いでシャワーを浴び、歯を磨き、制服を着ながら髪を乾かした。


そして食パンを食べながら登校するという、マンガで見る王道ネタをやった。


案外面白かったが、やってみて思ったことは走りながら食べると食べにくいという当たり前のような感想だった。


次からはちゃんと座って食べよう‥。


そして食パンを全て食べ終えた頃、遠くに見える学校の校舎内からチャイムが聞こえた。