「了解。きっとそうだろうなぁとは思ってたけど、たまにはお洒落なイタリアンとかでやって欲しいもんだわね」


「ほんとですよぉ~。未歩に居酒屋は似合いませんよぉ~」


もう入社して2年も経っているというのに学生気分が抜けないのか、未だギャルのような話し方に顔がヒクヒクと引き攣る。


2年も一緒に仕事をしていれば慣れてはくるが、朝からは聞きたくない。それに居酒屋が似合わないなんて、自分はどんなキャラだと思っているんだろう。いつも酎ハイを、ガバガバ飲んでるくせに。


と心の中で毒づいたけれど、私は未歩ちゃんが嫌いじゃなかった。
仕事は丁寧で正確だし、あっけらかんとした性格は潔く、憧れさえも感じていた。


「未歩ちゃんは参加しないの?」


「参加しますよぉ~。だって会社の経費で飲んだり食べたりできるのに、行かないと損じゃないですかぁ~」


「そうだよねぇ~」


こういうところにも抜かりのない未歩ちゃんに、苦笑を漏らす。


「菜都先輩も行きますよね?」


「もちろんっ」


なんと言ったって今日堤所長が一緒だっ。何が何でも近い席をゲットして、あの言葉の真相を聞き出さなければっ!!