「ねえ、タカ……」


ナナはタカに腕枕をしてもらい、天井を見つめながら呟いた。


「なんだい?」

「私の身体って、変よね?」

「急にどうしたの?」

「だって、あなたと暮らし始めて10年も経つのに、私の身体はあの頃とちっとも変わってないんだもの」

「…………」


タカは、なぜか無言だった。


「お医者さんに診てもらった方がいいのかなあ」

「…………」

「ねえ、タカ。聞いてる?」

「あ、ああ、聞いてるよ」

「タカはどう思う? 私、変よね?」

「とうとう、この時が来てしまったか……」

「えっ?」


タカの意味有り気な呟きに、目を丸くしてタカを見るナナであった。