蝶に僕の夢を打ち明けてから数日が立った。

そして今日、ここにも大切な人に自分の思いを打ち明けようとしているひとがいる。

左之さんだ。

総「左之さん、仕上がったんですか?」

左「ああ。」

嬉しそうに包みを広げて見せる。

すこし濃い桃色の生地に小花がちりばめられている着物と、沙織が頭に差したらさらに輝きを増すであろう簪が姿を現した。

蝶「沙織絶対喜びますね!!」

蝶が嬉しそうに微笑む。

左「そうだといいんだがな」

そういって頬を緩める左之さん。

今日、左之さんは沙織に夫婦になってほしいと打ち明けるのだ。

土「しかし、なんだか妙な気分だな。娘を嫁にやるみてえだな」

土方さんがおやじ臭いかおで微笑む。

総「土方さん。顔がおやじですよ」

土「うるせえよ!!」

蝶「ふふ。さあ、沙織を呼んできますから左之さん以外は隣の部屋へ」

新「おう!!」

平「なんかわくわくするな!!」

左「平助、人の一斉一代の晴れ舞台の日を楽しむんじゃねえよ」

穏やかな声が屯所に響く。