「……仕方無いな、決めるか。」

『え…?』

然り気無い呟きに、私は千尋を見上げる。


「お前の名前。無いと不便だしな…って、おいッ」


気付けば私は千尋に飛び付いていた。避けられたが。


地面に顔面を激突させるも、直ぐ起き上がり嬉々としてはしゃぐ。

『名前、何にするのっ』

「今から決めっから、落ち着け、来るな。」

『いたっ』


頭を叩かれふと水溜まりを覗くと額に血が流れていた。
幽霊でも怪我するんだ、と実感した。