「今夜……抱いちゃおうかな」
先生はニヤリと笑った後に、冗談だよって言った。
本当は抱いて欲しかった。
今、たまらなく先生の腕に抱かれたいと思ったんだ。
「先生、私、赤ちゃんが欲しい」
「ああ、俺も。焦らないでゆっくりと、な!!」
先生は私の肩に手を乗せて、優しく肩をもんでくれた。
「それ、懐かしい!」
「ん?」
「高校の頃、よくやってくれたんだよ!」
「そう?」
元気のない時、先生は生徒の肩に手を乗せて、ポンってする。
それだけで、パワーがもらえるんだよ。
きっと、今でも先生は生徒にしているんだよね。
私は先生を愛している。
先生も私を愛してくれている。
きっと、赤ちゃんが来てくれる。
忘れ物を取りに帰った私達の赤ちゃん。
きっと、もうすぐ会いに来てくれるよね。