そして、目を見開いた。


そこには私が最も嫌う人間の姿があったのだ。色素の薄い、金に近い茶髪に冷たい印象を持たせる切れ長の目、筋の通った鼻、長い手足―


「こんな夜中に女の子が一人、危ないんじゃない?凛童ちゃん」



「何であなたがいるんですか、安久李冬馬さん」



安久李さんは私の問いかけに答えなかった。



「俺も、悪魔に興味があるんだよね」



…は?