その日の深夜― 闇の中、私は夜の街を疾走する。 月明かりが照らす夜は視界がよくなる。 そして、あいつらの行動が鈍くなる ビルの上に跳び乗ると、そこには異形の生物が君臨していた。 犬のような顔に、黒い毛がびっしり生えた身体。 手と思われる物の先端には爪があり、人間など簡単に串刺しにできそうなぐらい大きく、鋭かった。