私は薄情な娘だと皆思うでしょうねぇ。
両親の死に泣けないなんて...






両親の死後から少し経つと、
私の親戚は私の引き取り先を話し会っていました。

「あんな子、いやよ。親のお葬式で泣けない薄情な娘なんて。」
「幸子さん。あんただけじゃないよ。そもそもあんな不気味な子、誰も引き取りたくないよ」

そう。

私は、不気味な子。
私は念じる事だけで物を動かせる。
いわゆる念力の力を持っておりまして、
皆に不気味だの、なんだの言われてます。

正直、あんたに関係ないしって私は思っていますけど。


最初にその力に気が付いたのは、私が5歳の時。
私は従兄弟の木村 良と俊と揉めていたとき。
私は彼らに傷つけられ、殴られ、ボコボコにされていた。
そして私は
(その辺の石が彼らにぶつかってケガをしちゃえばいいのに。)
などと考えていた。

そのとき、石がいきなり浮遊して彼らにぶつかったのです。
私はそのときの事をよく覚えている。
それから親戚には疎まれてきた。
ま、それが普通の反応ですよね。

でも、私は皆私の能力が羨ましくて、
妬んでいる、とポジティブに考えてみたりして。

唯一私に優しくしてくれたのは、私の両親と母方の従兄弟の流慈兄だった。

彼は26歳で蝶野学園の学園長。
若いのによくできる、とちょっと有名だ。

私が5歳のとき15歳だった彼は良と俊を慰め、私に

『大丈夫だよ。』
と言ってくれた初めての人だった。
それから、彼は私にも変わらず優しくしてくれた。
彼は私の恩人でもあり、目標としている人だ。

「結衣は僕が引き取ります。」

そう言ってくれたのは流慈兄だった。