「……ちょっと、君大丈夫?
って、ものすげぇ熱じゃん!
………ん? …っお前!
………琴音、じゃん?!
…おまっ、どーしたんだよ、こんなとこで?」
……この声って、神谷?
なんで、神谷がここにいるんだろー?
ボーッとする頭を抑えながら必死に頭を巡らす。
「…て、お前。
話せる状態じゃねぇな。
家まで送ってってやるから、ほれ! 乗んな?」
そー言って、いつになく優しい神谷が地面に屈んで広い背中をわたしに向ける。
これは… どーゆー……?
「…何? 森田にしか触れたくない的な?
だったら、電話して迎え頼むけど?」
森田…
森田って… !!!
ダメダメ! 絶対ダメ。
あいつに頼むくらいならこのまま倒れた方がマシ。
怠い身体とは反対に、急に冴える頭。
「……い、から。
おんぶ、家…ま、で。」
呂律が回らない途切れ途切れの言葉が自分のもの
そこでようやく自分の体調の悪さに気付く。
神谷の背中は、居心地がよかった……
「…おおしま! ……ぉ…まっ!」
意識が、遠退いていく感覚……