――――はずだった。


「うん、ついてないね」


「!」


横から男の人の声が聞こえてきた。


咄嗟に声の方に顔を向ける。


そこには一人の男の人。


…人いたんだ。


気付かなかった。


その人は、柔らかい笑顔を浮かべていた。


大学生…くらいかな。


「すぐやむといいね」


そう言って、私から目を離し、空に目を向けてしまった。


「あ、はい…」


話し掛けられてちょっとビックリしたけど…


怖い人ではなさそうかな…。


少しの時間だけだし、このままここにいよう。