「龍…、ずっと待ってるんだよ太陽と航太は。龍から信じてもらえるのを……認めてもらえるのを……。

ねぇ龍……、一番認めてもらいたい人に認めてもらえないって…、どんなにつらいことか分かる……?」


途端に目頭が熱くなる。


ダメだ……泣きそう……。


「……陽月は分かるのかよ。」


「分かるよ……痛いくらいに……。」


………ポタッ


コンクリートの上にどんどんシミができていく。


「瑞華……大丈夫か?」


「……うん。」


虎太があたしを心配して駆け寄り、黙って背中をさすってくれた。


……そういえば、あたし虎太に何も聞かれてない。


なんでこの街に来たのかも、全部……。


改めて、虎太の優しさが身に染みた。


……いつか絶対話すから…、だからそれまで待ってて……。