「3年1組、浪川楓」


「はい」



1年間担任だった先生に名前を呼ばれ、椅子を立つ。

校長から卒業証書を受け取り、礼をする。


席に戻る前に、体育館全体を見渡した。


ここに座っている大半の人とは、もう会う事すら無いかもしれない。

一緒にバカやってたアイツとも。
勝手に俺の事ライバル視してたアイツとも。
俺の事好きだったらしいアイツとも。
俺が問題起こすたび怒鳴り付けられた教師とも。


同じ学校にいるのは最後になるんだ。