「…赤紙の内容を直接言われるなんて斬新ですね」
蛍詩は残酷な宣告をされても冷静に受け止めていた。
「私が言うのもおかしいが、怖くはないのか?」
原田大佐は、今まで赤紙をもらって入隊した者たちにはなかった蛍詩の態度に驚きを隠せないでいた。
「いや、いつか赤紙が来るだろうという覚悟はできていました。ただ…」
「ただ?」
「大切な人に、24時間で何をしてあげられるんだろうと考えているんです」
微笑みながらそう言う蛍詩の姿が、原田大佐にはとても印象に残った。
――希理。俺は君に何をしてあげられる?
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