「……結斗が、私から離れていくような気がしたの。だから…私はあなたに告白した」


『結斗、私ね、ず―っと昔から結斗が好き』


不意に、花音の言葉が頭をよぎる。

「俺は、好きじゃない奴に告白されたら、ちゃんと断る」


これは、本当。


―――花音は、家族にしか見えなかった。だから…家族として好き…


「じゃ…じゃあ私は、結斗を信じるよ。ワガママ言ってて、ごめん」

「ん」


家族としてしか見えないのは、多分、これから先一生変わらない。


別に片想いでもいい。

想いを伝えるつもりもないし。



でも、これだけは。


入学式の日から、俺は君に恋してるから。