「主任……!」


神林君は、ガバッと顔を上げた。


「志穂って呼んで?」


「志穂さん。今の、本当なんですよね?」


「うん」


「でも、何で泣いてるんですか?」


神林君……ううん、祐樹に言われるまで、自分が涙を流している事に気付かなかった。


「嬉しくて、かな」


「俺も、すっげえ嬉しい」


「祐樹、って呼んでいい?」


「もちろん」


「祐樹、抱いて? 私を、めちゃめちゃにして?」


「志穂さん……」



その夜、私はめくるめく官能の海に沈んで行った。

他の事は何も考えず、ただひたすらに、愛を感じていたかった。


これが祐樹との、最後の夜だから……