『それは“あたしの”なんだからぁ!!!』

…なんてことは、口が裂けても言えず。

賑やかな輪から少し離れた、教室の窓側一番前の自分の席に着いた。

「の、納出…さん?」

席に着いてすぐ、2人の女子があたしに話かけてくる。

確か…サタノさんとハバさん。

「…なに?」

どうせ、話の中身なんて決まってるけどね。

「…マオくんを、返して?」

ほら、やっぱり。

寝言は寝て言えっつーの。