あの日から私の心はまだ恋愛を拒んだまま。彼氏はおろか好きな人さえ作っていないけど、私はそんな自分にかなりの危機感を持っている。

だから大学の時には、お母さんに絶大な信頼を得ている樹くんに頼み込んで夜遊びだってした事もある。
樹くんは私に過保護だけど甘くもあるから。

樹くんと飲みに行くって嘘ついて、友達と女子会したり、ライブに行ったり。

お母さん達にバレないようにって必ず迎えに来て送ってくれる樹くんに罪悪感は感じたけど、初めての自由な世界に私は夢中になった。

そして‥‥‥やってしまった。
友達に誘われるまま、合コンに行ったのだ。樹くんにも、女の子だけで打ち上げだと嘘をついて。

初めての合コンには別に好みの人も私を気に入ってくれる人もいなかったけど、初対面の人といきなり一緒に飲むという不思議な体験は刺激的で、私は羽目を外してしまったんだ。

いつも通りにお迎えに来てくれる樹くんとの待ち合わせの時間を忘れて、飲み続けて。やっと終わって出てきたのは、待ち合わせ場所に来ない私を心配した樹くんがお店の前まで来てくれた時だった。