夜月と朱里が出会ってから
一週間が経ち
今日はクリスマス・イヴの日。



「今日は居てくれ、夜月くん」



「俺が居なくても大丈夫だろ」



「イヴの日にナンバー3がいなくては客が納得しない」



「予定があるんだけどな」



「これなら居てくれるか?」



オーナー室に来ていた夜月は
今日は休みたいと言ったのだが
クリスマス・イヴという事で
店の稼ぎ頭である夜月を
休ませるわけにはいかないと
神田川は言う。



そして引き止めるために
神田川は夜月の目の前に
封筒を差し出した。



なんと中身は十万円入りだ。



「何だこれは?」



「見ての通りだ。十万程入れておいた。これで何か彼女にプレゼントして今日の事を詫びてくれ」



「彼女?俺は一度も女と会うなんて言ってないぜ」



「違うのか?」



「いや…」



「あのセミロングの女性は夜月くんの女じゃないのか?」



「朱里の事を言ってるのか。何であんた知ってんだ?」



「これでも私はオーナーだ。色々と噂も耳にする。先週もちょっとした騒ぎがあった様でその彼女が原因だとか…」