図書室から見る空は、昼間の青空とは違い、雲行きが怪しい。

時計は夕方の4時前を指していて、約束の時間まであとわずか。


雨が降るかも。
…そんな空を見ながら、少し前のことを振り返っていた。


その後の丹羽くんはおそろしいほど、いつもどおりだった。


「『え?』、じゃねーから。
空いてないならいい。」

ぷいっと、私から顔を背けてしまう。


「待って待って。
空いてる!暇だよ。」と慌てて言うと。




【じゃあ、放課後、図書室でプリント教えてやるよ。】


という、まさかのお誘いを受け、現在に至る。