「どうして、僕に何も言わずに
逝ってしまったの……涼ちゃん」

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あの日────

「く、組長!……男が…組長を呼べと!!」

「えっ………」



僕が行ってみるとそこには、
涼ちゃんの弟の真ノ助君がいた…
その手には、不思議なからくりを持っていた。

気がつくと周りにも人が集まっていた…


「どうしたの?」
僕が尋ねると彼は、こう言った。
(嫌な予感がする…)

「涼麻が死んだ……」

ザワザワと周りがどよめき出す…

「えっ?どういうこと……嘘、嘘だよね…
昨日は、あんなに笑っていたのに…
そんな訳ないよね!!」


僕は、真ノ助君の着物の襟を掴んだ。
涼ちゃんとそっくりな彼の顔は、
目は充血し腫れ、唇からは、血が出ていた…