「ただいま~」


「おぅ。お帰り、我が妹よ」


「お姉ちゃん!?何でいるの?」


「・・・居たら、悪いわけ?」


「悪くは、ないけど~」


 清楚な白いワンピースはしわくちゃなまま床に置いてあり、


 全身中学時代のジャージを着た、お姉ちゃん。


 これがあの美鈴と同一人物なんて。


 信じられないよ。



「ねぇ花鈴。コーヒーいれてくれない?あたし、台本読まないといけないから」


「私だって読むもん。自分でいれなよ」


「はぁ?それが演技派美人大女優に言うセリフかしら?」


「自分で演技派美人大女優なんて言わないでよ。気持ち悪い」


「本当のことなんだからしょうがないでしょう?あんただってこーんな地味なのにプリンセスなんて呼ばれていて。そっちの方が気味悪いわ」


 今すぐカメラさん来てください。


 このグダグダナルシスト毒舌女優をカメラに収めてください。




 全国のファンに見せてあげてください。


「そういえば花鈴。あなた、過激なあすくファンに襲われたんだって?」


「・・・え?」


 何でお姉ちゃんが知っているの・・・?