「お姉ちゃん。そんなおしゃれしてどこ行くの?」




日曜の朝。

部屋の姿見の前でくるんと1回転した時、あやしむような声が。



妹の真子が部屋の入り口からあたしを見ていた。


そう言う真子はいつも通り、Tシャツにハーフパンツっていう地味なカッコ。


伸ばしっぱなしの重たい髪も、夏らしく短めに切って爽やかになればいいのに。




「友だちと、高校の下見に行くの」


「……友だち? お姉ちゃん、友だちできたの?」


「なにその信じられないって顔。あんたほんと、妹のくせに生意気だよね」


「だってお姉ちゃんと友だちになるとか、どんな心の広い人? あ、わかった。どーせ男とかいうオチなんでしょ」



あたしも口悪い自覚あるけど、真子も相当だと思う。

しかもこの子、まだ小5なんだけど。