「おはよ!」
「おはよう」
綾介と久琉斗が教室に入ると、
すでにそこには、全員が居て、
ジッと黙って椅子に座っていた。
「…やっと来た。
間君、神楽君、席に座って」
委員長である園田 暁美(ソノダアケミ)が
二人に座るように促す。
「えっ?はい」
二人は怪訝な表情を浮かべたまま
素直に席に座った。
教室に空いた席はない。
委員長の暁美を除く
二十七個の椅子は
すべて埋まっている。
暁美だけが、
皆の前に立っていた。
縁のない眼鏡をかけた
暁美の口が開く。
「昨日、夜中に
『シニガミチェーンメール』というのが
携帯に届いた人は居ますか?」
暁美を除いたクラスメイト全員が
ある者はゆっくりと、
ある者は左右を見回しながら、
手を挙げる。
それを見て、
暁美の端正な顔が引きつった。
どことなく、
教室には重いムードが立ち込めている。