午前、四時三分。



満月の夜。



街は沈黙に静まり返り、



時には風がピュウと音をたてる。



もちろん、



町の人の大半が眠っていた。



東京のような都会ではないので、



起きているのは極少数。



神楽 綾介(カグラ リョウスケ)も例外ではない。



スゥ、スゥと寝息をたてて、



たまに寝返りをうつくらいだ。



シンとした綾介の部屋。



青いカーテンから月の光が透け、



部屋は真っ青に染まっている。



机の上に置いてある携帯は



震える事もなく、



ジッと佇んでいた。



デジタル時計の画面が、



『4:4 00』



を指す。



その刹那。



♫ピロロロロン♫
♫ピロロロロン♫



携帯が大きな音をたてて、



綾介を起こした。



「…ん…なんだよ…メール…?」



黒い髪がボサボサのまま、



綾介はベッドの上で起き上がり、



ボーッと点滅する携帯を見る。



そして、フと我に返り、



綾介は慌てて携帯を手に取って、



すぐさま画面を開いた。



両親や小学二年生の妹を起こすのは、



気が引ける。



「…シニガミチェーンメール?」



綾介はメールを読んでいく。