ケータイ小説 野いちご

ある休日の話【短編】

こんな日



ある休日のことである。



「お腹が痛い」



俺の部屋の部屋のベットに寝転がって彼女が呟いた。



「大丈夫か?」



机に座って勉強をしていた俺だが、いつもと違う彼女の様子に慌てて駆け寄って背中をさすった。



横を向き、お腹を抱えるように丸まる彼女を見るのは初めてではない。



昔からお腹が弱くてよく痛くなり、こうしてさすることがあった。



「うー、いつもありがとう」




「気にすんな。お前の背中さするの嫌いじゃないし」



「…実はね、」



彼女が少し言いづらそうに話す。



「今日バレンタインでしょ、
渡すつもりのチョコレートちょっとつまみ食いしたの。しかも家に忘れてきたの。
だからバチが当たったのかも」



痛さで顔を歪ませているのか申告したからか彼女の表情はとても苦しそうだ。



実は、ちょっと期待していた。



バレンタインと言うことを知っていたから彼女が来た時チョコくれるから来たんだと思ってた。



だから彼女が部屋に来てもいつもと変わらずベットに寝転がったときは少しだけショックだった。




だけど、



「いいよ。チョコなんかくれなくても会いに来てくれただけで嬉しいから」


それにチョコをくれようという気持ちがあったことも嬉しい。



「チョコなんていつでもいいから」




「うー、ありがとう。大好きー」



そう言って俺のお腹の服をギューっと掴む。



お腹痛いから力入るのか拳なんだと思うけど、力いっぱい服を握る彼女がとても可愛く見えた。



彼女がチョコを内緒にしていたように、
お腹を痛がる彼女を心配するより可愛いと思ってしまったことは内緒にしよう。


代わりに、お腹が治って元気になったら俺も彼女を強く抱きしめよう。



それだけで小さな秘密は全部チャラになる気がする。



彼女がやっぱり好きだと思った、
そんなある日の話。





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