「ちーちゃん待ってよ!」


黒髪をサラサラとなびかせながら走ってくる幼馴染み。


「凌が遅いんだよ。ほら手、出して?」

ぎゅっ


離れないように繋いで、家へと帰る。


綺麗な夕日が私たちの帰り道を指してくれている。


「ねぇ凌?大きくなっても一緒に居てくれる…?」


自然と握る力が強くなる。


「うん!!」


握り返してくれた彼は笑顔で言った。





――――――私が初めて好きになった人…。