《病院》
《悠斗SIDE》

梨々はあの後、病院に運び込まれて、今は集中治療室にいる。

勇大「悠斗。よく聞け。梨々華ちゃんは、今、とても危険な状態だ。でも、それは、悠斗のせいじゃない。梨々華ちゃんの命は、そう長くない可能性の方が高い。今の日本の医学だと梨々華ちゃんは助からない。だけど、アメリカの医学だったら、助けられる。」

梨々がいなくなる……そんな事、俺がさせない。

悠斗「父さん。梨々はいつまでは確実に生きていられる?」

勇大「もって、いいところで、あと、5年。」

悠斗「父さん。高校卒業したら、俺、アメリカに行って、梨々の病気を治せる医学を学びたい。」

勇大「それは、構わない。悠斗の将来だ。悠斗が自分で決めて構わない。でも、梨々華ちゃんの場合、いつ急変するか、わからない。時間はないぞ。もし、アメリカで医学を学ぶんだったら、1年で戻ってこい。」

悠斗「半年で戻ってきてやるよ。」

勇大「本当、悠斗は梨々華ちゃん、一筋だな。」