ある朝、いつものように教会で祈りを捧げている時だった。




コツコツと足音が聞こえ、振り向くと、一人の男性の姿があった。




朝日を背に浴びたその人は、逆光で顔がはっきり見えなかった。




「光・・・」




顔が見えなくても、その人が光であることはわかる。




随分背が伸びて、髪も伸びていた。



鍛えられた体は、以前よりもひと回り大きく感じられた。


スラッとした長い足。




一歩ずつゆっくりと近付いてくる光を、ただじっと見つめていた。





「藤乃・・・元気そうで安心した。俺のせいで、藤乃の人生狂わせちまったな・・・」




光の顔がはっきりと見えた。



「光・・・変わってない・・・」




白い肌、透き通るような美しい瞳・・・


サラサラの髪。




少し大人っぽくなった光は、あの日と同じ白いシャツを着ていた。