ありえない
ありえない
ありえない…!!
あたしは黒いソファに座らされ、横を見ると机の上に足を乗っけ煙草を吸いながら、逃げられないようにあたしを見ている赤髪の男。
ただケータイを探しに来ただけなのに………。
「……おぃ」
先程より低い声に、ビクリと心臓が跳ねる。
「もう一度言う。ドアのまえで何してた?」
「…あんたには、関係ないでしょ」
「………」
「………」
見つめ合う(?)こと数十秒。
あたしが何も言わないから、諦めたのか小さくため息をつく赤髪。
「……じゃあ、これはいらないな」
そう言いながら、ポケットの中から出したのは、
「あっ」
水色のスマフォ―――…あたしの探してたケータイだった。
「何で、あんたが持ってるの!?」
「あ?お前が落としてったんだろーが。」
それだけ言って、ふいっと顔を背けた。
もしかして、拾ってくれたの……?