~将生side~
「なんだ、あの子…?」
あれから中に入り、さっきの子について会議中。
それなのに、我らが総長・大翔様は何も言わないし顔どころか、眉一つ変えやしない。
さっきは、あの子を見て何か言いたげな顔してたのに……。
「あーー……俺が調べるよ」
パソコンを手慣れた手つきで操作するのは、情報担当・大雅。
一見、チャラく見えるが情報に関してはNo.1の実績と実力をもっている。
だから、いろんな族から声をかけられているとかなんとか……。
…でも、全て断ってるみたいだけどね。
「えーと…、朝日奈優依。俺らの一個したで、兄、母、父の四人家族。だけど、小さい頃から両親は海外に行ってるみたい」
「優依ちゃんか~」
すぐに目の色を変える侑真。
まぁ…確かに可愛い顔はしてた、ね。
「今度、デートに誘ってみようかな?」
ガッ。
侑真が言い終わるのと同時に、何かを蹴る音が部屋に響いた。