桐生院。



そこは、全寮制の優等生が通う学園。





――――――表向きは。






<ついた>






少年はボストンバッグを抱えて呟いた。







―――やっとついたよな?相棒―――







別の少年の声がした。






しかし、桐生院のドアの前にいるのは、一人の少年。







<入るよ!>







少年はドアを開けた。






だが、開かない。






<はぁ?>






―――魔法じゃね?―――







また、声が、







<魔法?>






少年は聞き返した。






―――あけるぜ、相棒―――






少年の前に――――――






赤い髪に赤い目の少年が現れた。