どうやら、願いが通じたみたいで。
…私は今日も生きてます。
「おはよ。」
廊下に出ると、制服姿の彼がいた。
「おはよ。退院…おめでとう。」
もう今日で彼は退院で。
…きっと彼とも真奈ちゃんたちともお別れなんだろうな。
また、つまんない日々が始まる。
「…ありがとう。」
彼が笑ってこたえる。
なんか。なんかわかんないけど泣きそう。
「今日晴れてよかったね。」
泣きそう、なんてことがばれないように私は窓の外に視線を向けた。
「うん、ねえ、紗葉。」
「…なに?」
「…もし、迷惑だったらやめとくけど、俺が退院してからもまた…紗葉に会いにきてもいいかな??」
「…え?」
「あ、いや、その、もちろん真奈とかも連れてくるし、えっと…その、」
慌てて頭を掻きながら照れたように笑う彼。
「うん!もちろん、大歓迎っ!」
あ、また私、笑えてる。