「紗葉おはよー。元気?」 「うん…元気…かな」 例の彼、椎名誠がなぜか私の病室にいる。 …しかも名前呼び捨てだし。 朝、ドアをノックする音に呼び出され、ドアを開けると、 にっこにこの笑顔の彼がいた。 それで、まあ現在に至ってるわけだけれども…。 「ねぇ、紗葉ったらきいてる?」 「う、うん…」 今も彼の希望に溢れてる声は健在で。 …まるで私にとっては拷問の時間。