4月。
桜の花が舞い、新しい生活がスタートした。
「……はあ、よかった。高校生になれて」
「まあ、よく似合うわよーっ!写真とらないとっ!」
新しい制服に袖を通して、鏡の前で確認をしていると、お母さんがニコニコしながらやってきた。
言っておくけど、入学金を振り込み忘れた事はまだ許していない。
そんな事をやらかしておいて、よく似合う?写真とらないと?
……娘の人生を台無しにしかけておいて、よく言うよっ!
「いってきまーす」
「あ、響、ちょっと待ってよ!」
お母さんの慌てた声が聞こえるけれど、私が待つわけない。