虎ちゃんたちがいる場所まで戻ると、ふたりは黙ったまま壁にもたれて一点を見つめていた。


「弥生ちゃん…大丈夫?」


あたしが声をかけると、もう泣き止んでいた弥生ちゃんが軽く頷いた。


「うん」


あたしと弥生ちゃんが喋っていると、嵐と虎ちゃんはなにやらふたりでコソコソと話し合ってる。


そんなのは無視して、あたしは弥生ちゃんと喋っていた。







「嵐のこと…そんなに気に入ったなんて、正直驚いちゃった…」


「えへ…おかしいよね。乙葉ちゃんは嵐くんに彼女がいないって言うけど、モテそうだしやっぱりいると思うんだ」


嵐と話してるとき、彼女はいないって訂正されたのかな。