【澪王】



人生で初めて、誰かを好きだと思った。



基本的に女は好きだけど、そういうのを超越してしまう『好き』。



とにかく美少女。



だけど口が悪くて、すぐにキレる。



不器用だけど純粋なヤツ。



「話は通してくれたの?」

「まぁ…」

「あの子たちはお金になるわ」

「俺は反対なんで」

「今まで散々迷惑かけといて?あなたにいくら使ったと思ってるの?」

「それは社長が勝手に…」

「週刊誌、新聞、ネット。あなたの不祥事をもみ消すのに、いくら使ったかわかってるのかって聞いてるの」

「も、申し訳ないっス…」



社長から呼び出され、例の美少女と美少年を事務所に入れろと詰め寄られている。



俺は絶対ヤダ。



シュリとユウリを目の届かないとこに置くなんて、絶対ムリだ。



「アイツら何やらかすかわかんないっスよ?」

「おもしろそうじゃない」

「だから俺は反対ですって」

「どうして?シュリに対する私的理由かしら?」

「バレてんのかよ…」



メンバーの誰かが社長に言ったらしい。