「───あれ、今日はお出かけ?」



ある日の休日、家を出ようとしたら後ろ
から声をかけられて、振り向くと、燐ち
ゃんが立っていた。



あの癒しパワー絶大の笑顔は、今日も健
在中。



「うんっ!かなえちゃんとお出かけして
来ます!」


「そっか、かなえちゃんか。車とかには
気をつけてね。あと、ナンパとかにもね
?」



ナンパ?



「燐ちゃん何言ってるの?ナンパに気を
つけるのは、かなえちゃんくらいだよ」



あ、でもでも、最近は女の子が男の子を
ナンパする"逆ナン"っていうのもあるん
だって聞くし……。



燐ちゃんも要注意人物だなあ、なんて思
っていたら、クスッと笑われた。



「澪は天然なんだね。一緒にお出かけす
るのがかなえちゃんで良かったよ。──
男の子とかとだったら、気が気じゃない
な、これ」



燐ちゃんはそう言いながら、よしよしと
私の頭を撫でてきて。