いつだって、蔑んだ目で見られていた。
子供だからと、何も聞こえないとでも思っていたのだろうか。
無表情だからと、何も感じていないと思っていたのだろうか。
そんなはずは、ないのに。
いつからか、
瞳は暗い世界ばかり映すようになった。
表情は氷のように動かなくなった。
『捨てられた奴隷の子供』という烙印は、
いつまでたっても消える気がしない。
けれどあのとき、貴方に出会ったから。
捨てられた私を、拾ってくれたから。
切なくて苦しそうな目で、私を抱き上げたね。
もう何年も前だけど、私は覚えているよ。
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