「ダリぃ…」


担任に怒鳴られ、教室に来ては見たものの…。


授業は思った以上につまらない。


ふと窓の外に目をやると、さっきまであいつと話していた校門が見えた。


『あの子、めっちゃ可愛くね?』


あいつを知るきっかけは、親友の今泉聖夜の一言だった。


聖夜は県内でトップの不良が集まる学校、『聖龍』の番長。


高二にして、右に出るものはいない、絶対的エース。


でもかなりの遊び人で、まわりにはいつも女がいる。


まぁ、本気のやつはいないみたいだけどな…。


そんな聖夜が一人だけ注目した女。


それが、そう…。あの『氷の姫桜』、有坂美桜だった。